ホテル・旅館業界でも重要!ユニバーサルアナリティクス(UA)終了に伴うGA4の導入メリットと注意点
公開日 (更新日 2025.02.28)

ホテル・旅館の自社予約比率向上のためには、データドリブンなWebサイト運営が欠かせません。従来のアクセス解析ツールであるユニバーサルアナリティクス(UA)は、2023年7月に計測が廃止されており、さらに、2024年7月1日以降、順次データの閲覧もできなくなる予定です。データを活用し最適なWebサイト運営をするためには、Googleアナリティクスの最新版であるGoogleアナリティクス4(GA4)への移行は急務と言えるでしょう。
この記事では、宿泊業界でのアクセス解析(Googleアナリティクス)の重要性や、GA4導入によるメリットと注意すべき点について解説します。
目次
宿泊業界でのアクセス解析の重要性
アクセス解析とは
アクセス解析とは、Webサイトに訪れたユーザーの属性や行動を可視化し分析することです。アクセス解析を行うことで、Webサイトの現状を把握したり、コンバージョン(予約成約数やお問い合わせ数など)を増やすためのWebサイト上の改善点を見つけることができます。
アクセス解析ツールの中で、最も主流となるツールの一つがGoogleアナリティクス(GA)です。Googleアナリティクスは、無料で利用することができ、訪問者がウェブサイトをどの程度閲覧しているか、どのようにしてウェブサイトに辿り着いたかといった多様なデータを取得することができます。
宿泊業界でのアクセス解析の活用
ホテル・旅館などの宿泊業界でも、アクセス解析を用いたWebサイト運営が欠かせません。自社予約比率を向上させるためには、アクセス解析に基づきWebサイトの改善や、様々なマーケティング施策の実施・検証を行うことが重要となります。
ホテル・旅館でアクセス解析(Googleアナリティクス)を元に、把握できる指標の一例として下記などが挙げられます。
- よく閲覧されている宿泊プラン
- シーズンごとのサイト訪問者数の変動
- キャンペーン実施(DM送信など)後のWebサイト訪問状況
- 予約成約までのページ遷移の状況
- サイト訪問者の属性(性別、年齢、閲覧地域など)
- 予約成約率の高い流入元
これらの分析を通じて、コンバージョン(予約成立数)向上のための課題を特定し、解決策を実施することが、現代の宿泊業界においてますます重要となっています。
ユニバーサルアナリティクス(UA)を使用し続けるとどうなるか

UAは、アクセス解析のメインツールとして広く使用されてきましたが、2023年7月にデータの計測を終了しており、2024年7月1日以降には順次廃止されることが発表されています。この変更により、UAを利用していたユーザーは大きな影響を受け、2024年7月1日以降はUAを使用できなくなります。
もしも今後、GA4への切り替えをせずにUAの使用を続ける場合、どのような影響があるのでしょうか?
ここでは移行しない場合にユーザーが直面する主な問題点を解説します。
アクセスデータが計測できない
2023年7月1日以降、UAでのデータ計測は終了し、すでに計測が行えなくなっています。
また、GoogleアナリティクスとGoogle広告を連携している場合、UAのアクセスデータがGoogle広告に転送されなくなっていますので、広告運用にも影響があると言えるでしょう。
過去データを閲覧できない
UAのサービス終了に伴い、データの計測の停止に加え、2024年7月1日からは、順次過去に計測したデータを閲覧することができなくなります。サービス終了後も、過去データの閲覧・比較を行う場合には、データをCSVファイルなどの形式でエクスポートする必要があります。
データに基づいたマーケティング施策を打つまでに時間がかかる
前述のとおり、UAサービス終了後はデータ計測・閲覧が出来なくなるため、データに基づいた仮説立て・施策立案が難しくなります。また、いざデータに基づいたマーケティング施策を始めようと思っても、過去に遡ってデータを計測することができません。そのためGA4を新たに設置してからのデータが蓄積されるので、データを活用できるようになるまで時間がかかってしまいます。
さらに、より最適なマーケティング施策・Webサイト運営を行うには、ある程度長期的に蓄積されたデータが必要となるため、多くの時間を有してしまう場合があります。
ホテル・旅館で自社のWebサイトを運営している場合には、現在の活用状況の有無に関係なく、いつでもアクセスデータを活用した施策を行えるよう、早めにGA4へ移行することが重要です。
Googleアナリティクス4(GA4)導入のメリット
Googleアナリティクス4(Google Analytics 4、以下GA4)は、2020年10月にリリースされたUAの後継となるGoogleアナリティクスの新しいプロパティです。Webサイトやアプリなど、多様化するプラットフォームからのデータ収集、個人情報取り扱いの厳格化などの変化に対応するために開発されました。
ここでは、GA4を導入するメリットについてご紹介します。
Webサイトとアプリの両方のデータが収集できる
GA4は「データストリーム」という仕組みを導入しており、Webサイトだけでなくアプリからのデータも計測することができます。これにより、Webサイトとアプリを横断するような行動に関しても、同一ユーザーとして認識することが可能となります。
ユーザーの細かな行動を計測できる
GA4では、イベントベースでの計測が可能になり、ウェブサイト内のユーザー行動をより詳細に分析することができます。これにより、今までデータ取得の難しかった「スクロール」「ダウンロード」「動画視聴状況」などを計測することが可能となりました。
GA4導入における注意点

UAからGA4への切り替えがますます重要になっていますが、この導入過程において留意すべきポイントがいくつかあります。ここでは、GA4導入に際しての主な注意点を5つ紹介します。
- UAで蓄積した過去のデータはGA4へ移行はできない
- データ保持期間に注意が必要
- 十分なトレーニングが必要
- Googleアナリティクス以外にも幅広い専門知識が必要
- 不十分な設定によるデータ収集失敗の可能性がある
UAで蓄積した過去のデータはGA4へ移行はできない
GA4は、UAのデータの形式や計測方法が異なるため、UAで蓄積したデータをGA4へ移行したり、過去のデータをGA4へインポートすることはできません。したがって、UAで蓄積したデータを今後も保存・閲覧したい場合には、UAのデータをエクスポートし管理する必要があります。
データ保持期間に注意が必要
GA4では、より詳細な分析レポートを作成する「探索レポート」という機能があり、ユーザーが項目をカスタマイズし必要なデータをレポート化することができます。ですが、この機能で利用できるデータの保持期間は、最長14ヶ月となっています。
14ヶ月以上の長期間のデータを用いたレポートを作成したい場合には、Looker Studioなどのツールを利用する必要があります。
十分なトレーニングが必要
GA4に移行した後、新システムを効率的に活用するためには十分なトレーニングが必要です。UAとGA4の間には数多くの違いがあり、新規に追加された指標も存在しています。これらの新しい指標やシステムを理解し、扱うための学習が必要となります。
また、GA4は定期的にアップデートされるため、最新の情報を継続して取得し、知識を更新することが重要です。移行が完了した後も、GA4を適切に活用し、分析の精度を高めるためには、日々のトレーニングが不可欠です。
Googleアナリティクス以外にも幅広い専門知識が必要
正確なアクセスデータを取得し、活用していくためには、GA4の基本的な設定やイベントの設定を適切に行う必要があります。
また、Google広告や、Googleサーチコンソールと連携する場合や、Google タグマネージャーを利用する場合には、Googleアナリティクス以外のツールの設定と連携も必要になります。そのため、Googleアナリティクスの知識だけでなく、幅広い専門知識を持ち、適切かつ正確に作業を実施する必要があります。
不十分な設定によるデータ収集失敗の可能性がある
前述の通り、GA4導入時には、計測タグや重要なイベントの設定を適切に行う必要があります。これらの設定は専門的な知識を必要とし、設定が不完全だと正確なデータ収集ができません。データが収集できないと、その期間のデータ分析が不可能になり、重要なビジネス決定に影響を及ぼす可能性があります。さらに、特定期間のデータが得られない場合、過去のデータとの比較もできず、マーケティング戦略の精度が低下する原因となります。
したがって、GA4の設定を行う際には、アクセス解析関連の幅広い専門知識を持った上で、慎重かつ適切な作業が求められます。
GA4を導入して最適なマーケティング戦略を実施しましょう!
ユニバーサルアナリティクス(UA)のサポート終了が迫っている今、データの計測に空白を作らないためには、速やかにGoogleアナリティクス4(GA4)への移行が必要です。GA4は、分析の幅広さ、高度なプライバシー保護、AIと機械学習の活用など、多くのメリットを提供し、宿泊業界のマーケティング戦略にも有益な影響をもたらす可能性があります。しかし、導入および移行作業には、GA4やその他の関連ツールに関する専門知識、そしてデータ分析のスキルが必要になります。
導入・移行後も、GA4の最新アップデート情報に常に注意を払い、適切なトレーニングを受けることで、その機能を最大限に活用し、マーケティング施策の効果を高め、宿泊業界におけるサービス品質と顧客満足度の向上につなげることが可能です。
ホテル・旅館のGA4の代行設定ならキャディッシュへお任せください
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