ホテルのアメニティの重要性と選定方法!顧客満足度向上と競争力強化のための戦略とは?
公開日 (更新日 2025.05.15)

近年、競争が激化している宿泊業界では、アメニティはお客様の満足度向上とホテルの競争力強化に欠かせない要素となっています。適切なアメニティの選択と設置は、ホテルの評判やリピーターの獲得に大きく影響すると考えられます。
本コラムでは、アメニティの重要性や選定方法、設置時の注意点について詳しく解説します。
目次
ホテルのアメニティとは?
アメニティとは、宿泊客の快適な滞在をサポートするために提供される様々な消耗品や備品を指します。シャンプーやボディソープ、ハンドタオルなどのバスルームアイテムから、コーヒーメーカーや充電設備などの客室内設備まで、多岐にわたります。
アメニティの重要性
アメニティは単なる消耗品ではなく、宿泊客にとっての付加価値を提供する重要な要素と言えるでしょう。ここでは、アメニティの重要性を詳しく解説します。
他のホテルとの差別化を図ることができる
適切なアメニティを選定することで、他ホテルとの差別化につながります。
- 充実したアメニティの提供
- 充実したアメニティの提供は、他ホテルとの差別化を図り、宿泊客に更なる価値を提供します。
- ホテルブランドを意識したアメニティの提供
- ホテルのコンセプトやターゲット層に合わせたアメニティ選びは、ブランドイメージの確立と、アメニティを通じた他ホテルとの差別化に貢献します
宿泊客の満足度向上とリピーター獲得につながる
以下のようなアメニティを設置することで、顧客満足度の向上につながります。
- 充実したアメニティの提供
- シャンプー、コンディショナー、ボディソープなどの基本的なアメニティだけでなく、充電器、加湿器など、普段使い慣れたものが用意されていると、宿泊客は快適に過ごすことができ、満足度を向上させることができます。
- ユニークなアメニティや、高品質なアメニティの提供
- 地域の特産品を用いたオリジナルアメニティや、オーガニック素材にこだわったアメニティは、宿泊客に特別な体験を提供し、満足度を高めることができます。
- 高品質なアメニティの提供
- 快適な滞在とアメニティへの満足は、宿泊客が再び同じホテルを選ぶ可能性を高めます。
また、顧客満足度が高いホテルはリピーター率も高い傾向があります。宿泊客が快適な滞在を経験し、アメニティに満足している場合、同じホテルを再び選択する可能性が高まると言えるでしょう。
SNSでの拡散による集客効果を期待できる
写真映えや話題性のあるアメニティは、宿泊客によるSNSでの拡散を促し、新規顧客の獲得やホテル認知度の向上に繋げることができます。
アメニティを設置する際のポイント

ここまで、ホテルのアメニティの役割と重要性について述べてきました。しかし、アメニティをただ設置するだけでは、宿泊客のニーズに応えられず、不満につながる可能性もあります。
ここでは、アメニティを設置する際のポイントについて詳しく説明します。
アメニティの在庫管理や運用方法を確立する
アメニティを設置する上で、アメニティの在庫管理と運用方法は、重要な項目の一つです。宿泊客の快適な滞在のためには、アメニティの正確な在庫把握と、不足しないよう適切な補充が不可欠です。また、日々の業務の中で行う在庫管理は、効率的かつ正確に行い、運用方法を確立することが重要です。アメニティの在庫管理と運用方法としては、主に以下の方法が挙げられます。
- 棚卸ツールの導入や在庫管理システムの利用
- アメニティバーの導入(【施設のアメニティ活用事例】内で詳しく解説します。)
ターゲットに合わせたアメニティを選定する
ホテルの種類やターゲットに合わせたアメニティを選定することは、お客様の満足度向上とリピート率向上のために重要です。ホテルの種類やターゲットに合わせたアメニティ提供においては、宿泊客個々の要望やニーズへの柔軟な対応が重要となります。
例えば、ビジネス客が多いホテルでは、仕事の疲れを癒す入浴剤や、リフレッシュできるアロマオイルが喜ばれるでしょう。一方、女性客が多いホテルでは、美容液やヘアケアアイテムなどが人気を集めます。
宿泊客のニーズに合わせたアメニティ提供は、他ホテルとの差別化に加え、顧客満足度とリピート率の向上に貢献します。
宿泊客の声を反映したアメニティを選定する
宿泊客の声を反映したアメニティの選定も、顧客満足度向上に重要な要素です。実際に宿泊したお客様のアンケートやフィードバックを通じてニーズや好みを把握し、それに応じたアメニティを提供することで、更なる顧客満足度向上につながります。
ターゲット別アメニティの選定

前述の通り、アメニティ選定の重要なポイントの一つは、ターゲット顧客のニーズに応じた提供が挙げられます。ビジネス客やカップルなど、ターゲットによって求められるアメニティは様々です。
ここでは下記のターゲットを例に挙げて、ターゲット別に求められるアメニティの例を見ていきましょう。
- ビジネス向けアメニティ
- カップル向けアメニティ
- 女性向けアメニティ
- 子連れ家族向けアメニティ
ビジネス客向けアメニティ
ビジネス客向けには、作業環境を整えるアイテムが重要となります。高速インターネット、充電設備などが挙げられます。また、コーヒーメーカーやミネラルウォーターなどのリフレッシュメントアイテムも喜ばれます。
客室数の多いビジネスホテルでは在庫管理が重要となるため、棚卸ツールの導入も有効な手段です。
カップル向けアメニティ
カップル向けのアメニティとしては、リラックスできる環境を提供するアメニティが重要です。高品質なバスアメニティやバスローブ、アロマディフューザーなどが人気です。また、ワインやチョコレートのサービスは、特別な雰囲気を演出し、カップルの滞在をより思い出深いものにするでしょう。
女性客向けアメニティ
女性客向けには、美容やリラックスを重視したアメニティが求められます。スキンケアセットや、クレンジングオイル、フェイスタオルなどが重要です。特にオーガニック製品やブランド品など、女性にとって使い心地の良いアメニティは、女性客の満足度を高めることができます。
子連れ家族向けアメニティ
子連れ家族向けには、親御様もお子様も安心して過ごせる、安全で快適な環境を提供するアメニティが重要です。ベビーベッド、子供用シャンプー、絵本やおもちゃなどが考えられます。また、乳幼児用食器やカトラリーの貸し出しも、便利で喜ばれるサービスの一つと言えるでしょう。
施設のアメニティ活用事例
宿泊施設では、以下のように様々な方法でアメニティを活用し、顧客満足度とリピーターの増加に繋げています。
- アメニティバーの設置
- プレミアムアメニティの設置
- ユニークな体験としてのアメニティ提供
- コンセプトルームにおけるアメニティ活用
ここでは、近年ビジネスホテルをはじめとした多くの宿泊施設で導入されている、アメニティバーについて詳しく解説します。
アメニティバーの設置
アメニティバーとは、共用スペースにアメニティをまとめて配置し、宿泊客が必要なものを自由に選べるようにする仕組みです。設置により、宿泊客は必要なアイテムを自由に選ぶことができます。アメニティバーの設置は、宿泊客にとって便利で快適な滞在を提供する手段として注目されています。
アメニティバーの利点
アメニティバーには多くの利点がありますが、主な利点は下記の2つです。
- アメニティを一箇所に集約することで、清掃スタッフの作業効率が向上し、在庫管理も容易になる
- 無駄なアメニティの補充を減らすことは、コスト削減につながるだけでなく、2022年4月施行のプラスチック資源循環促進法やSDGsへの貢献、ひいては無駄な消耗品の削減にもつながる
具体的なアメニティバーの内容
多くのビジネスホテルでは、フロント近くやロビー内にシャンプーやスキンケア用品、歯ブラシやカミソリなどのアメニティバーを設置し、宿泊客が部屋に戻る際に自分で必要分をとることができます。また、最近では豊富な種類のシャンプーバーも人気を集めており、多くのホテルや旅館で導入が進んでいます。宿泊客は様々なシャンプーの中から好きな種類を選べるため、多様なニーズに対応できます。さらに、色々なアメニティを試したいという顧客の声にも応えられます。例えば、あるホテルでは、シャンプーバーに10種類のシャンプーとコンディショナーを用意し、宿泊客が自由に選べるようにしています。これにより、顧客満足度が大幅に向上し、リピーターの増加にもつながっています。
まとめ アメニティを活用し、顧客満足度の向上と他ホテルとの差別化を図ろう!
ホテルのアメニティは、単なる備品ではなく、お客様への特別な体験を提供する重要な要素です。適切にアメニティを活用することができれば、他のホテルとの差別化を図れるだけでなく、顧客満足度の向上とリピーター獲得に繋げることも可能となるでしょう。
しかし、顧客満足度向上などに繋げるためには、ただ闇雲に備品を設置するのではなく、ホテルの種類やターゲットに合わせたアメニティの選定が必要となります。また、在庫管理ツールの導入やアメニティバーの活用など、アメニティの在庫管理や運用方法についても、十分に検討する必要があります。
自社内でアメニティの選定や、運用方法の確立が難しい場合には、専門コンサルタントに依頼するのもおすすめです。専門のコンサルタントの意見を取り入れることで、アメニティ戦略の見直しが行われ、より顧客のニーズに合ったアメニティの導入が可能になります。また、アメニティを含めた、多様な戦略を組み合わせることができるため、より効果的に顧客満足度を高め、ホテルの競争力を一層強化することができるでしょう。