グランピングの将来性や需要を徹底解説!経営するメリットや課題も紹介
公開日 (更新日 2024.01.17)

新規事業としてグランピング経営に興味を持っており、その需要や将来性について把握したいと考えている経営者もいるのではないでしょうか。本記事ではグランピングの市場規模や将来性などについて詳しく解説します。グランピング経営を成功させるポイントも紹介しているので、ぜひ、本記事の内容を参考にして下さい。
目次
グランピングとは?意味をおさらい
グランピングとは、「グラマラス(魅惑的な)」と「キャンピング」を掛け合わせた造語であり、自然環境の中でキャンプに必要な設備が整っていて、非日常を体験できます。グランピングの利用者は、通常のキャンプと違い、アウトドア用品や食材を自分で用意する必要がありません(※プランによっては食材の持ち込みも可)。テント設営などを自分でする必要もなく、手軽にキャンプを体験できることがグランピングの魅力です。
グランピングの市場規模
一般社団法人全国グランピング協会の調査によると、グランピングの市場規模は150億円~200億円という推計が出ています。これは、全国のグランピングをうたう施設の売上高を合計した数字です。
グランピングをうたう施設は全国350ヶ所以上あります。また、グランピングをうたっていないコテージやバンガローなどの施設は全国に1,000施設以上存在し、これらも含めれば、市場規模は600億円~800億円程度と予想されています。
参考:一般社団法人全国グランピング協会『グランピング業界の市場規模』
グランピングの需要・将来性をさまざまな角度から考察

ここでは、さまざまな角度からグランピングの現状を調査し、将来性について解説します。
グランピングの認知度は非常に高い
トラベルズー・ジャパン株式会社が2021年に発表した調査結果によると、「グランピング」という言葉を知っている人の割合は81.6%であり、認知度は非常に高いことが分かります。一方、実際にグランピングを利用したことがあると回答した人は14.4%に留まっています。
加えて、グランピングを実際に利用した人への調査からは、「グランピングそのものへの興味」「自然や非日常を体験したい」「手ぶらで楽しめる」など、さまざまな理由でグランピングを利用していることが分かりました。
参考: トラベルズー・ジャパン株式会社『グランピング実態調査』
口コミやYouTubeからみるグランピングに対する消費者の認識
Twitterでは、グランピングについて次の様な口コミが投稿されています。
これらのツイートからは、「グランピングに興味がある」「グランピングが楽しい」「施設が増えている」など、ポジティブな声があることが分かります。また、「費用が高いけれど最高」などの声もあり、グランピングに対して一定の関心やニーズがあると考えて良いでしょう。
さらに、YouTubeでも有名女優など著名人のグランピング体験を配信する動画も存在しています。
グランピング×ワーケーションも注目されている
プライベートでのグランピング利用だけでなく、旅行先・休暇先でリモートワークを行うワーケーションやテレワークにおいても、グランピングが注目されています。テント泊タイプではまだ少ないものの、コテージタイプのグランピング施設ではWi-Fiなどを整備し、ワーケーションに対応する事例も増えてきました。
場所を問わない多様な働き方が展開されている時代のなかで、今後はネット環境やオフィス設備などが整備されたグランピング施設のニーズが増加する可能性もあると言えます。
ホテルや旅館などからもグランピング市場への参入は可能
グランピング施設を新設するのではなく、既存のホテルや旅館などにおいてグランピング体験ができるプランを提供するスタイルも可能です。
例えば、瀬戸内海の小島にあるホテル「グランルークしまなみ」では、宿泊施設を通常のホテル客室とコクーンタイプのテントから選べるプランを用意しています。また、都心部のホテルでも、グランピング体験をうたったプランが増えてきました。
この様に、利用者のニーズや競合対策に応じて、違った角度からグランピング市場に参入することもできます。
新しいキャンプの形としてグランピング市場は確実に形成されている
ここまで、さまざまな角度からグランピングについて見てきましたが、結論からいうとグランピングの将来性は明るいと言えるでしょう。消費者の認知度や口コミからはニーズの高まりが読み取れます。さらに、提供方法のバリエーションなども踏まえれば、グランピング市場は確実に形成されており、今後も市場の伸びが考えられます。
また、コロナ後はインバウンド需要も回復しているため、グランピングにおいても外国人観光客の獲得が期待できます。適切なニーズ調査やマーケティング戦略を行えば、グランピングで安定した収益を見込めるでしょう。
グランピング経営の魅力

グランピング経営には、さまざまなメリットや魅力があります。主な3つの魅力について以下でそれぞれ解説します。
他宿泊施設と比較して食事コストを抑えられる
グランピングを経営する場合、ホテルや旅館と比べて、食事面でもコストダウンが期待できます。館内レストランを設けて食事を提供するよりも、バーベキューグリルを準備して食材を提供する方が、設備投資面や材料費、人件費の面でもコストを抑えられるでしょう。また、利用者が自宅で下ごしらえした食材や近隣で調達した食材を持ち込むプランを採用するケースも多くあり、運営側の手間や人件費も削減できます。
経費が抑えやすく高い利益率が期待できる
グランピング事業は、ホテルや旅館と比較すると、人件費などの経費を抑えやすい割に単価を高めに設定できるため、高い利益率が期待できます。また、ホテルや旅館の様に宿泊用の建物を建設するよりも、グランピングで主流となっているドームテントを宿泊施設として提供する方がコストは掛からないため、初期費用も抑えられます。初期費用のコストダウンによって借入金の負担も抑えられるため、黒字化を実現しやすいと言えるでしょう。
地方創生への貢献にも繋がる
地方創生とグランピングは相性が良いと言われています。これまで日帰り利用者が多かった地域にグランピング施設を提供することで、周辺施設への経済効果が期待でき、地方創生への貢献に繋がるのです。例えば、近隣のスーパーマーケットや道の駅での食材調達、カフェや飲食店などの利用、おみやげの買い物など消費が増えて集客効果が高まると考えられます。
グランピング経営の課題・問題点
グランピング経営にはさまざまな課題や問題点もあるため、事前に対策が必要です。主な課題2つについて以下で解説します。
季節や天候の影響を受けやすい
グランピングは季節や天候の影響を受けやすいという課題があります。グランピングの需要が高まるのは、気温が暖かい春から夏にかけてです。
一方、冬は気温が大きく下がるため、寒さが厳しいという理由からグランピングの利用者は減少してしまいます。温浴施設を設けるなど、冬期の集客への対策が必要です。また、雪が降る地域においては積もる可能性もあり、雪の重さにテントが耐えられないケースもあるため、注意しなければなりません。
また、テントは強風にも弱いため、台風による影響も考慮する必要があります。
開業するにはさまざまな許可申請が必要
グランピング事業を展開するにあたって、さまざまな許可申請が必要になります。例えば、旅館業許可や飲食業許可、酒類販売業免許(アルコールを販売する場合)、林地開発許可(1ヘクタール以上の森林を伐採・開発する場合)などです。
基本的には、旅館の開業と同様の許可申請が必要と認識しておくと良いでしょう。ただし、グランピングの営業許可は「簡易宿泊」になる場合がほとんどのため、旅館よりも多少は許可申請が少なめです。
また、土地が農地の場合は転用申請が必要であり、許可が下りるまで数カ月掛かる場合もあります。
グランピング経営を成功させるために抑えておきたいポイント
グランピング経営には多少の課題はあるものの、冒頭で解説した様に将来性はあるため、ポイントを抑えておけば経営を成功に導ける可能性は高いと言えます。ここでは、5つのポイントを紹介します。
都市部からアクセスが良い土地を選ぶ
多くの利用者を呼び込むためには、グランピング施設を設ける土地の選定が重要です。グランピングには「都市部から離れてリラックスしたい」「自然に触れて気分をリフレッシュしたい」というニーズが多いため、都市部からアクセスが良い土地を選ぶことがポイントとなります。
目安として都市部から車で片道2時間以内の場所を選ぶと良いでしょう。また、景観や夜景が美しい場所や、海の近くにある土地かどうかなどもチェックしておきたいポイントです。
若い世代を意識したコンセプトを立てる
LINEの調査によると、グランピングは10~20代の若い世代に人気があることが分かります。また、認知度においては、10~20代の男性が約60%であることに対して同世代の女性では約80%と、女性の方が20%近く高くなっています。
そのため、若い世代、特に若い女性を引き付ける様なコンセプト設定やプラン設計をすることが、グランピング経営を成功させるために大切だと言えるでしょう。
参考:リサーチノート powered by LINE『流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ ~グランピング編~ 』
オフシーズンも収益化できる仕組みを構築する
上でも述べた通り、グランピングの需要が高まる時期は、気温の暖かい春から夏にかけての季節です。逆に、寒い冬は需要が低くなってしまいます。つまり、より安定した経営を実現するためには、年間を通して収益化できる仕組みを構築する必要があるのです。
例えば、イルミネーションなど冬場ならではのイベント開催や防寒・積雪対策の徹底、日帰りプランの提供などで冬期の集客を伸ばすための工夫ができるでしょう。
予約サイト・自社ホームページを作成する
トラベルズー・ジャパン株式会社のグランピング実態調査によると、グランピングの予約方法としては、公式サイトからの直接予約が過半数の53.2%となっています。そのため、確実に予約を増やしていくためにも、予約サイトや自社ホームページを作成することが大切です。
私たち株式会社キャディッシュは、ホテル・旅館向け宿泊予約システム『予約番』を提供しています。予約番なら、食事プランやオプション数が多いグランピング施設でも、利用者にわかりやすい形でレイアウトを構築できます。
予約画面のデザインを30パターンから選べるので、自社に合った予約サイトを簡単に作成することが可能です。事前決済方法の選択肢も多く主要8言語に対応しているので、インバウンドにも対応できます。また、『宿泊施設のホームページ制作サービス』も提供しており、予約番と親和性の高いサイト制作も可能です。
SNSでの情報発信を強化する
グランピングにおける集客を成功させるためには、SNSでの情報発信に力を入れることも大切です。例えば、インスタグラムやYouTubeの様な写真や動画をメインとしたSNSであればグランピングとの親和性も高く、ユーザーに自社施設の景観や食事などの魅力が伝わりやすいと言えます。SNSでの情報発信においては、複数のSNS媒体で自社アカウントを運用し、継続的に情報発信する意識を持ちましょう。
まとめ グランピングの将来性は明るい!適切な戦略を立てて経営を成功に導こう

グランピングの将来性についてさまざまな観点から調査・考察した結果、グラピング市場は確実に成長してきていると言えます。適切な準備やマーケティングなどの戦略を実施することにより、安定した収益を見込めるでしょう。
株式会社キャディッシュでは、宿泊予約システム『予約番』や『サイト制作サービス』の提供を通して、貴社におけるグランピング経営をバックアップします。ぜひ、導入をご検討下さい。