ホテル・旅館ができる広告とは?おすすめの広告の種類や選び方、運用のコツ
公開日 (更新日 2024.06.20)

ホテル・旅館を宣伝する広告は、昔からの紙媒体やテレビ・ラジオCMに加えて、Web広告もメジャーになってきています。本記事ではホテル・旅館の広告におすすめの広告や出稿時の注意点、自社に合った広告の選び方について解説します。
最後に、広告選びや運用について相談できるコンサルティングサービスも紹介するので、参考にして下さい。
目次
ホテル・旅館でできる広告の種類とメリット・デメリット

ホテル・旅館で取り組むことができる主な広告は次の5種類です。
- 新聞・雑誌などの紙媒体の広告や折り込みチラシ
- テレビCM
- OTAへの広告出稿
- リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告
- インスタグラムなどに表示されるSNS広告
それぞれについて以下で解説します。
新聞・雑誌などの紙媒体の広告や折り込みチラシ
昔からある広告手法で、新聞や雑誌の広告枠に出稿したり、折り込みチラシを作って新聞と一緒に配達してもらったりする方法です。
一度の出稿で幅広い層に訴求できるため、大きな効果が見込めます。手軽に保存できるため、関心を持った人に何度も目にしてもらえるなど、長期間の広告ができる可能性もあります。
ただし、特定のターゲット層に絞り込んだ訴求が難しいことや、その媒体を購読・閲覧しない層にはリーチできない点が、新聞・雑誌広告や折り込みチラシのデメリットです。この広告手法を選ぶ宿泊施設も減少傾向にあり、特に、新規開業の場合、最初に取り組む広告の手段として選ぶケースは多くありません。
テレビCM
テレビCMを制作して放映する広告手法もあります。テレビを見ている層に情報を発信し続けることで自社の特徴やキャンペーンを覚えてもらい、興味をそそることが狙いです。
しかし、テレビCM出稿には膨大な費用が掛かるため、利用できるシーンは限られます。また、テレビCMを放映しても必ずしも効果が出るとは言えず、確実な費用対効果が見込めるかは疑問です。
OTAへの広告出稿
OTAとは「Online Travel Agent」の略で、実店舗を持たず、インターネット上でのみ利用できる旅行会社を意味します。宿泊施設が広告出稿することが多い主なOTAとしては、『楽天トラベル』『じゃらん』『一休.com』といった予約サイトがあります。
インターネット経由で予約する利用者が増えてきていることから、OTAへの出稿は一定の効果が見込まれると言われています。
OTAについては、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせて参考にして下さい。
>> ホテルが導入できるOTA6選|メリット・デメリットや必要性まで解説
リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告
リスティング広告とは、検索ワードに応じてインターネット検索結果画面に自動表示されるWeb広告を意味します。例えば、検索結果画面の上部に「スポンサー」「広告」などと表示されるものがリスティング広告です。
リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに近い内容のものが表示でき、見込みの高い顧客に確実にアプローチできる点が強みです。出稿費用も安く、あまり予算をかけられない宿泊施設であっても便利に使えます。ただし、潜在顧客にアプローチしづらい、広告を避けるユーザーがいる点はネックです。
ディスプレイ広告とは、Webサイトの広告枠に掲載する広告です。ディスプレイ広告は、リスティング広告に比べて、潜在顧客にもアプローチしやすいというメリットがあります。ただし、効果の検証が難しい、申し込みにつながりにくいと言ったデメリットも存在します。
インスタグラムなどに表示されるSNS広告
インスタグラムやTwitterなど、利用者の多いSNS媒体に広告を出すことも、Web広告の一環です。
SNSのタイムラインに広告を流すことによって、ホテル・旅館の情報拡散や認知度向上、新規顧客の獲得などが期待できます。近年は、インフルエンサーを起用して自社の魅力を発信してもらう方法もよく採用されています。
SNSは媒体によって利用者層が異なるため、ターゲットを絞り込んで訴求できる点がメリットです。しかし、限られたユーザーにしか訴求できない点は知っておきましょう。
ホテル・旅館の宣伝は紙やテレビの広告とWeb広告のどちらが良い?
ホテルが広告を出すなら、Web広告がおすすめです。Web広告には次の様に多くのメリットがあります。
- 紙やテレビでの広告よりも少額から始められる
- ターゲット層に絞った施策ができる
- 閲覧数や広告を経由した予約数を数値データで得られる
- 獲得したデータを活用して今後の対策が取りやすい
ただし、上でも述べた様に、Web広告にはリスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など複数の種類があるため、自社のホテルにあったものを選ばなければなりません。
アプローチしたい客層や実施したいキャンペーン、自社での運用・管理のしやすさなどを考慮して選ぶと良いでしょう。
近年人気のWeb広告は「Googleホテル広告」

Web広告が数ある中でも、近年、『Googleホテル広告』を利用するホテルが増えています。
Googleホテル広告とは、ホテルの情報に特化したWeb広告です。ユーザーがGoogle検索やGoogleマップでホテルについて検索したときに表示されるもので、無料で出稿ができます。
Googleホテル広告に出稿すると、検索結果の画面に空室があるホテル名と宿泊料金、特徴などが表示され、詳細画面では周囲の施設やレビューなども確認できます。
同じ画面に予約リンクも設置されているため、そのままOTAや自社の予約サイトへ誘導することも可能です。
Googleの検索結果の画面に表示する広告には上で紹介したリスティング広告(Google 広告)もあるものの、こちらには予約リンクは設置できません。Googleホテル広告の方が、効果を期待できるでしょう。
ホテル・旅館が広告を運用する際の注意点
ホテルが広告を運用する際に意識すべき主な注意点は、次の3つです。
- 自社の宿泊施設や狙いたいターゲット層に合った広告を選ぶ
- 効果測定を行って方向性を随時確認する
- 他の施策とも組み合わせる
それぞれについて以下で解説します。
自社の宿泊施設や狙いたいターゲット層に合った広告を選ぶ
上で紹介した様に、ホテルが出稿できる広告にはさまざまな種類があります。とはいえ、手当たり次第にいろいろな広告手法を試せば良いというものではありません。この後でくわしく述べますが、広告の運用には効果測定に基づく対策や継続的な実施が必要です。
広告を通じて獲得したい顧客や自社施設をアピールしたい層を洗い出しておき、それに合う広告手法を選ぶと良いでしょう。
効果測定を行って方向性を随時確認する
ホテルの広告、特にWeb広告を出せば集客につながる可能性があります。しかし必ずしも効果が見込めるわけではなく、実施してすぐに予約数が増加するとも限りません。
まずは、通常の予約と広告経由の予約をしっかりと区別しましょう。その上で、閲覧数や広告経由の予約数など広告の効果を検証しつつ、内容や頻度を調整しながら広告を運用する必要があります。
効果が出ていない広告は中止したり、アプローチを変えたりするといった工夫もしなければなりません。
他の施策とも組み合わせる
ホテル広告においては、広告だけで集客しようと考えるのではなく、他の施策と組み合わせた集客も意識しておくことが重要です。
広告はあくまでも集客の手段の1つであり、「広告にお金をかければ必ず集客できる」というものではないのです。広告の効果測定をしたり内容などの調整をしたりしながら、地道に取り組んでいくことが重要です。
利用する広告の選び方

最後に、ホテルの広告手法を選ぶ主な基準3つを紹介し、それぞれについて以下で解説します。
- どの様な顧客を獲得したいかで選ぶ
- 掲載・運用に必要な広告費で選ぶ
- 運用に掛けられる時間や知識の有無で選ぶ
どの様な顧客を獲得したいかで選ぶ
広告には種類によってそれぞれのメリット・デメリットがあり、獲得できる顧客層も異なります。自社のホテルではどういった層を獲得したいのかを考えるところから始めると、広告手法を選びやすくなります。
ホテルの広告にはWeb広告がおすすめですが、Web広告で獲得できる顧客層はインターネットを利用する層に限られます。インターネットになじみのないシニアなど、より幅広い層にアプローチしたいなら、新聞・雑誌の広告も選択肢に入れるべきです。若年層を獲得したいなら、インスタグラムを始めとしたSNSへの広告出稿も検討しましょう。
掲載・運用に必要な広告費で選ぶ
広告費として用意できる予算に基づき、掲載・運用に掛かる広告費に着目して手法を選ぶのも1つの方法です。
特に、Web広告の中には、広告費を数万円程度から自由に調整できるものや、Googleホテル広告の様に予約が入ったら広告料の支払いが発生するものなどもあります。
広告は、長い期間をかけて実施することが重要です。負担のない費用で継続的に実施できるかも、選ぶ観点になるでしょう。
運用に掛けられる時間や知識の有無で選ぶ
Web広告の運用には時間や手間が掛かる場合もあり、Webマーケティングの知識も必要です。
SNSに広告を出す場合は、自社で画像や写真を用意しなければならないこともあります。広告出稿にテキストだけを用意すれば良いのか、画像まで必要なのかでは、運用に掛かる時間や手間が大きく変わってきます。
また、Web広告においては効果測定・方向性変更などに、ある程度の知識が必要です。広告運用にあまり時間をかけられない場合や失敗を避けたい場合は、専門家に運用代行を頼む方法もあります。
まとめ 自身のホテル・旅館に合った広告で集客力アップを狙おう
ホテルの広告にはさまざまな種類がありますが、これから始めるならWeb広告がおすすめです。
最近はGoogleホテル広告が人気ですが、自社のホテルにあった広告を選びじっくりと運用していくことが、広告による集客成功のコツです。もし、広告選びや運用に自信がなければ、広告代理店の手を借りる方法も有効です。
宿力では、ホテル向けのコンサルティングを行っています。また、ホテル予約システム『予約番』から、無料版のGoogleホテル広告へ表示させることも可能です。出稿すべき広告の種類も含めて、経営について相談してみてはいかがでしょうか。